ここのところ、人事周りのお手伝いをする仕事がとても多くなり「人事の仕事」について考えてみました。
かつての「人事部」。つまり私が社会人になった頃ですから今から40年ほど前。そのころの人事部は「採用して配属する」というのが主な仕事で、(私が働いていた企業だけかもしれませんが)人事部のことを「ひとごと部」などと呼んだりしていました。そして「必ず」といっていいほど、どこの企業の人事部にも何十年も働いていらっしゃる「お局さま」が在籍していて、その方がいわゆる「新入社員向けの研修」などをやっていました。
「研修」と言っても今のような体系化された研修ではなく「お茶の出し方」「電話の取り方」といったいわゆる「お作法」のような研修でした。
営業部で割と忙しかった私はいつも「人事部って、どんな仕事をしているのだろう? いつも暇そうだな〜〜」と思っていました。当時は、今のように就職活動などなく、大学4年生の10月1日の「解禁日」に志望する企業に「履歴書」を出すために「並ぶ」という今からは想像もできない原始的な採用方法でした。
その時ばかりは人気企業の「人事部」には随分と脚光が当たったものです。(笑)
時が流れ、今の時代。人事部の仕事もすっかり変わりました。バブルが崩壊してからの人事の仕事が大きく変革したと感じます。
全てに「正解のない時代」、そして特に少子高齢化の日本では人手不足と戦いながら、企業経営に目を向けるとそこでは、試行錯誤を繰り返し、何が正しいのかもわからず、うまくいかないから事業戦略を変え続け、それに組織や人が合わせなくてはならなくなってきました。そのような「組織」を作っていくことが人事部の仕事になってきたと感じます。
これからは、組織がこの大きく速い変化にいかに対応していくか? 組織としてどうあるべきか?を経営と人事が一体となって進めていく時代になったと思います。人事部は採用、育成はもちろんのこと「経営」という視点を持つことがとても重要になったと思います。経営=人事、と言っても過言ではないように私は思います。
特に中小企業では、一人の採用が経営に及ぼす影響はとても大きいと感じます。それが、成長期の企業では一度に何人も採用するわけですから、片手間にできる仕事ではありません。これからは、人事を経営と同じ位置付けで考えていくことが、この難局を乗り越える一筋の光明となると思います。