今回は、ビジネスのことを少し離れて私が今、興味があることを書いてみたいと思います。

だれでも1回は耳にしたことのある曲を作曲したフレデリック・フランソワ・ショパン。ポーランド出身の前期ロマン派音楽を代表する作曲家。「ピアノの詩人」と言われるようにとても美しい旋律が特徴です。

今、5年に1度の大イベント「第18回ショパン国際ピアノコンクール2021」が開かれています。10月17日のショパンの命日の前後でコンクールが行われます。そしてこのコンクールはピアノの世界3大コンクールの一つです。本来、昨年が開催年でしたがコロナのため、1年延期されての開催です。書類選考〜メディア審査を通過すると「予備予選」に出場できます。書類もポーランド語、英語またはフランス語で応募しなくてはなりません。これだけでもなかなか大変です! まずはこの難関を突破した方が7月に行われた予備予選で演奏ができるのです。もちろんこの予備予選で落ちてしまう方もいます。この予備予選を経て、10月4日から一次予選が始まりました。もちろん、課題曲は全てショパン。全ての予選でミニコンサートのような雰囲気を作り上げることも求められます。どんな課題曲を選曲するのか? 弾く順番は?など細部にわたって審査対象になります。

一次予選では87名の方が演奏されました。参加者の多くが、すでに演奏家として活躍している方がほとんどです。この中から二次予選に進めたのは、45名。毎回の予選での演奏順はすべて抽選です。コンクールというのは、ただ弾くだけではなく、このようにさまざまな条件・環境にも打ち勝たなくてはならないな〜と思います。

さて、この二次予選に進めた日本人は8名。すでにピアニストとして活躍しているプロの演奏家も出場しています。その中でも、いわゆる「音楽大学」を出ていない方が2名、含まれています。それをみても「実力の世界」であることがわかります。

お一人は、野球の大谷翔平選手のようにまさに二刀流の方がいます。今現在、医学部の5年生でこのコンクールに出場した「沢田蒼梧」さん。医学部に通いながら、これだけ大変なコンクールに出場する・・・って、並大抵のことではないと思います。すでに日本でも演奏活動もされていて、チケットはすぐに完売してしまう人気のある演奏家です。医者と演奏家・・・どちらの道を歩き始めるのでしょうか?? 両方、やり遂げてしまうのでしょうか? 

そしてもう一人は、東京大学工学部出身の「角田隼斗」さん。すでにyoutuberとして100万人近くものフォロワーを抱えています。また、バンドにも参加していたり、クラシックのみならず多方面で活躍している方です。ピアニストか研究者か・・・で、迷われたそうですが。いまでは編曲も手がけられていて、本当に才能溢れる方です。

その他にもファイナル(本選)に残るのではないか?と言われている「反田恭平」さん。「牛田智大」さんなど、錚々たるメンバーの日本人がこのコンクールに参加しています。

このブログを書いているのは、二次予選の最中です。どの方が三次予選に進まれるのか? とても楽しみですし、今は演奏の様子がすぐに配信されるので、本当に便利な世の中になったと思います。

コンクールという緊張の場においても「非常に楽しそうにピアノを弾いている方が多い」ということを感じます。このコンクールに出場するには、とにかく練習を続けることと強いメンタルが必要ですが、そこを超えると楽しくなるんでしょうね。そもそも音楽で競い合うのはどうなのか?とも思ったりしますが、渾身の演奏、魂の演奏、そして、全身全霊の演奏にはとにかく心が揺さぶられます。そして演奏にはその人の「人間性」が現れるように思います。

私はいつも思うのですが「楽譜」は世界の共通語だと思います。言葉が通じなくても楽譜が読めれば、どんな国の人ともすぐに(一緒に)演奏することができるのは、素晴らしいことです。

その上、演奏の合間には何人かのグループに別れて英語でのディスカッション(インタビュー)もあり、ピアノだけではなく英語力も必要なんですよね。

「演奏」ということを仕事に選んだ人の最大の難関「コンクール」。誰がファイナルに進み、優勝するのでしょうか?

あらゆる(どんな)仕事も「全身全霊」で行った時に「勇者」となるように思います。そして、幸運の女神はその「勇者」を好むのだと感じます。

全身全霊の仕事・・・目指したいと思います。