「初めて新卒を採用する際の注意点はありますか?」

先日、社員数が40名ほどの企業の経営者の方から、こんなご相談がありました。

この社長の会社のような、「初めて新卒を採用」という中小企業では、入社後にトラブルが起きることが少なくありません。

人事が、新卒を採用して驚くこと

まず、中小企業が新卒を採用する時、何も準備をしないで採用している企業が多いように感じます。何と言っても受け入れ側の準備が大事です。

何も準備をせずに何となく採用してしまうと・・・
人事担当者が「新卒、ってこんな感じだと思わなかった」とびっくりしてしまいます。

例えば、私が研修に伺っていた別の企業でも、初めて新卒を4名採用されたのですが、とにかく反応がない。伝えたことがわかっているのか、わかっていないのかが「わからない」状況があったのです。

するとどうなるか・・? 

先輩「(仕事の説明をして)わからなかったら、言ってね」
新卒「はい!」→【違うことをやっている】

ということが、頻繁に起こったのです。
なぜ、そうなってしまうのでしょう?

同じ絵が見えていない…

説明しても「はい、わかりました」と言うだけの新卒…。

実は本人としては「わかったつもり」なんですね。
でも、伝えた側と「同じ絵が見えてない」ことがほとんどです。

「初めての新卒採用」ということで、上司・先輩と世代がかなり離れてしまっていることも原因の一つかもしれません。

特にハイコンテクスト文化と言われる日本人。これまでは「共通の経験・価値観」を基盤とした「曖昧なコミュニケーション」が当然でした。
しかし、現代では「経験・価値観」といったコンテクストが共有されなくなって来ています。そのせいでコミュニケーションが出来なくなっていることが大きな原因だと私は考えます。

新卒としては、「わかった?」と聞かれたら「はい」と答えてしまうものです。
「わからないことがあったら、言ってね」と言われても「わかっていないことがわからない」わけですね。

きめ細かなコミュニケーション

では、どうしたらいいのでしょうか?

それには、「きめ細かなコミュニケーション」が絶対的に必要です。

「曖昧なコミュニケーション」で「なんとなく通じる」ということは、もうありません。
「同じ絵」が見えているかどうかを確認していくことを丁寧に行ってください。伝え返してもらう。指示した仕事の「完成形」を具体的に示してあげる。と言ったことが重要です。

そして、できれば最初から「メンター」をつけてあげることは、とても良いことだと思います。
会社として、「どのような方針で新卒を育てていくか」ということを決めておくことが、その後の人材育成に繋がります。

何より「最初が肝心!」

既存の社員が思うより、手が掛かる・・と予測をしておいた方が良いですね。
かなり認識にギャップがある可能性が高いのです。

そのギャップがまずいことになることがあります。例えば、経費をかけてやっと採用した新卒が「嫌になって、すぐに辞めてしまう」こともあります。

とにかく最初の対応が重要です。
新卒が「辛くなって、嫌になってしまってからでは遅い」のです。

是非、新卒を採用する際には、万全の準備・体制を整えて採用することをお勧め致します。