先日、ある社長からこんなご相談を受けました。
今、このような世の中の状況で、実は会社・・・なかなか大変でヤバイ感じなんですよ。でも、社員は文句ばかりで、こう・・・傍観者のようで、当事者意識など全く持っていないんですよ。どうしたら、社員は当事者意識を持ってくれるんでしょうね?
このように思われている社長さん、意外と多いのでは??と思います。
当事者意識がないのは、「当事者」にしてないから
私は、「当事者意識がない」というのは、「当事者にしていないからなのでは?」と思うのです。
社員を「当事者」にしていますか?当事者にしていないのに、「当事者意識を持って欲しい」と社長がいくら言っても、それは無理な話です。
社長自身が、真実が伝わるように伝えていなかったり、本音で話をしていなかったり、信じて任せていなかったり・・・
原因はいろいろとあるかと思います。
もちろん、社員には伝えることが出来ないこともあるかもしれませんが、どこまでを情報公開するか・・ということを社長が考えていないこともあります。
「いやいや、ちゃんと任せていますよ!」とおっしゃる社長でも、話をよく聞くとそうでもないことも見えてきます。
信じて、任せて、ときに失敗させること
例えば、「任せたよ」と言ってもついつい気になって
「あれ、どうなっているの?」
「ちゃんとやっているの?」
「こうすると、良いと思うけど・・・まあ、参考までに聞いておいてよ。任せたし」
なんて、言ってみたりしていませんか?
あるいは、社員が「これで、どうでしょう」と持ってきた資料に対して、「これじゃ、まずいから・・・実は私も考えていて、やっぱりこっちの方がいいから」などと言って、ひっくり返す。(いわゆる、ちゃぶ台返しをする)
このようなことをされては、社員は「結局、任せてもらえない。社長が好きなようにやればいいんだよ」となってしまいます。もちろん、社長は「良かれ」と思ってやることなのですが、それが逆に働くケースも多いのです。
ただ、社長も「任せる・・・と言ったけど、心配だな」と思うのであれば、「一緒にやろう!」と言って、社員にイニシアティブを持たせながら、進めていくことがあっても良いと思います。
その場合、社長はアドヴァイスをしつつ「人材育成」の大きなチャンスと捉えていくことが必要です。「決して社長の意見を押し付けることなく、社員の考えたことを尊重しながら」というのがポイントです。
また、余裕があるとき、または、どうしてもここは乗り越えて欲しい、と思った時には、あえて「失敗」させることも必要です。
その場合、必ずフォローをすることを忘れずに行ってください。(フォロー役は、必ずしも社長でなくても良いと思います!)
経営者側にも余裕が必要
当事者意識を持って、働いてもらう・・・というのは、コミュニケーションを含めての「人材育成」だと思います。
そこを疎かにしていては、いつまでたっても当事者意識を持った社員は、現れません。
ただ、社長にも余裕が必要で、余裕がないとつい怒りや苛立ちにつながります。
どんな大変な時でも、「余裕を持つ」ことが出来るように自分をコントロールする術も持ち合わせていくことも社長の仕事なのかもしれません。