SES企業で、お客様先に常駐しているエンジニアの「帰属意識」を高めるのに、とても苦労されている企業がたくさんありますよね。

どこの企業も色々と工夫をしていらっしゃいますが「何か、良い方法はありませんか?」と聞かれることが多いです。

今まで私がお話を伺って感じたり、考えたことをまとめてみたいと思います。

効果が薄い「あるある」施策

(1)イベント
飲み会・食事会・運動会・屋形船に乗る・・・などのイベントをしょっちゅう開催しても、飽きてしまうし社員の方は「帰社する意味がない・・・」と思ってしまうのではないでしょうか?

現場も忙しい中「わざわざ時間を取ったのにメリットがない」となってしまうと、社員の心はむしろ離れてしまうように思います。

情緒的な「仲間意識・絆作り」が意味を持つのは「一番最初の一時期だけ」だと思います。とは言っても他に手がないと、このようなイベントを開催することになりがちです。
 
 
(2)研修・勉強会
研修や勉強会もよく開かれますが、これもあまり効果が出にくいと感じます。

「知識を伝えるだけ」の研修や勉強会では、他の場所でも得られるものになってしまいますよね。

「自社でなければならない」という理由が、なかなか見つからないように思います。
 
 
(3)悩み相談・面談
これも良く企業としてやられるところが多いです。

日常接点が少ないからこそ「コミュニケーションを取りたい!」と企業側は、考えるのだと思います。
でも、そもそも接点が少なく、コミュニケーションがほとんど取れていない相手に、突っ込んだ悩みは相談しないですよね。

結局、表面的なやり取り「最近・・・どう??」「まあ。大丈夫ですよ、特に問題ありません」で、終わってしまうのではないでしょうか?

大事なのは、本当に役立つ・メリットがあるチーム作り!

1ヶ月に1回でも会社に行くことが「本当に役立つ・メリットになる・意義がある」ようなことを作っていく必要があると思います。

自社だからこそ、その場・その人たちだからこそ「意味がある」というものですね。
単に「仲良くする・思い出がある」ではなく、そして「単に知識が得られる」ということだけでもないこと・・・

その場に行くことで「問題解決になる/本当に役立つ気づき・学びが得られる」など、社員自身にとって役立つ・メリットになる「チーム」になっていることがとても大事なことだと思います。

必要なのは「チームビルド」

「チームワーク」ではなく、「チームビルド」が必要だと考えます。

「チームビルド」とは、単に一緒に何かをするだけではなく、メンバーが協力しながらも主体的に共通のゴールを目指すようなチームづくりを指します。

お互いに安全にコミュニケーションが出来て、コミットメントがあって、サポートをし合うような関係があり、それぞれが抱えている課題を「ここに来て相談すれば大きなヒントが得られる」という「チームがあること」。
あるいは、単に知識を聞くだけではなく、複雑で困難な現実の問題を解決するために相談できる「場」があること。

それを「チーム」で行うことに意義があると思います。

こう書くと「結局コミュニケーション取るのと同じでは?」と思われるかもしれません。
もちろんコミュニケーションは必須です。しかし、「コミュニケーションを取ること自体」が目的化してしまうと、その効果や意義は非常に薄くなります。
コミュニケーションそのものではなく、それを通じて「チームを作る」ことが目的です。

このようなチームがあれば、自然と人はそこにやって来るようになると私は考えています。そのような「場・環境」を整えていくのが、企業の大きな役割のように思います。