若きジョブズが日本の禅に傾倒し、曹洞宗の僧侶・乙川弘文に師事していたのは有名な話である。
ジョブズは後年、「仏教には『初心』という教えがある」と回顧しているが、禅で研ぎ澄ませた初心が、パソコンの可能性を見抜く力の一つになったのだろう。

いい製品は市場の激動の中でつくられるが、その市場を見通す力は、心の静けさの中でつちかわれるのだ。

    スティーブ・ジョブズ 「神の遺言」    桑原晃弥 著より