最近、かなり話題になっていますが、東銀座の「歌舞伎座」が、この4月30日をもって閉場し、3年間の工事期間に入ります。

歌舞伎好きの私にとっては、まさに「聖地」
どれだけ通ったことでしょう?

確かに建物の老朽化も進んでいますし、バリアフリーには程遠い構造です。
お年を召した方が、3階席まで階段を昇るのは、容易なことではありません。
でも、建物のいたるところで歴史を感じることが出来、先日、最後の観劇の折には、休憩時間に劇場の隅々まで、くまなく走り回りこの目に焼き付けてまいりました。

4階の「幕見席」にも良く行きました。
本当に「天井桟敷」で、舞台はかなり下。花道は、ほとんど見えませんが、意外と「ツウ」の方が多く、たとえお芝居が良く見えなくても、声をかける方がたくさんいらっしゃいます。

「なりたや~~」「なかむらや~~」「まつしまや~~」と、その役者の屋号をタイミング良く声をかける「大向こう」の方々。
客席と舞台が調和する瞬間が、私は大好きです。

大道具の舞台転換もものすごいチームワークで、一瞬の無駄もなく、お芝居の流れを止めることなく、次の場面へ繋げる技術は、歌舞伎400年の歴史のなせる業のように感じます。

外国人の方も良く見かけるようになりました。
また、歴代の総理、皇室の方々も良くおいでになっておられました。

あの大きな劇場でマイクを使わない歌舞伎。台詞がどこの席でもきちんと聞こえるのは、もちろん役者の方の日々の精進の賜物ですが、音響もきっと素晴らしい劇場だったんだと思います。

今の歌舞伎座がなくなるは、とても残念ですし寂しいですが、3年後の新劇場も楽しみです。
3年後を楽しみにしたいと思います。